三波石見本庭園
さんばせきみほんていえん
庭石などによく使われる青色ひとつである三波石が見られる国指定名勝「三波石峡」。ここで産出される三波石を利用した坪庭庭園が、平成2年より藤岡市鬼石商工会によって市内全域に49ヶ所造られた。本記事で紹介する三波石見本庭園は、平成17年頃(2005)に販売用の見本庭園として造園されたものである。
ガイドブックやインターネットに紹介されていない三波石見本庭園。鬼石公民館に隣接した敷地にあり、入口に唯一看板があるだけである。車で庭園すぐ近くまでアクセスでき、車窓からも眺められる距離感だ。見本庭園には10個近い坪庭が並んでいる。
青石のひとつである「三波石」。白い縞模様が特徴であり、こちらの枯山水で使われている石にその特徴が現れている。
標高594mの横隈山( よこがいさん)を借景にした枯山水。写真中央の巨石は蓬莱山に見立てたものだろうか。
「滝と鶴亀苑」と名付けられた枯山水。「つげの木」で表した鶴と亀が向かいあっていると記載されているが、わからなかった。植栽は定期的な手入れがないと、このような状態になってしまう。
「滝と鶴亀苑」でひときわ目を惹いたのが、こちらの手水鉢である。今にも水が流れてきそうな意匠だ。
「八仙亭」と名付けられた坪庭。唐時代(日本では奈良時代あたり)の八仙(日本でいう七福神と似た八人の仙人伝説)が花見をしている様子に見立てたとのこと。ちなみに、こちらから車で15分ほどの距離にある桜山公園にも、三波石見本庭園があるので、合わせて訪れてみてもいいだろう。
○ | 「滝と鶴亀苑」と名付けられた枯山水にある手水鉢が美しい。 |
× | 住宅地に囲まれており、庭園背景が日常的な空間になっているのが残念だ。 |