賜松園
ししょうえん
賜松園は、盛岡市立杜陵老人福祉センター敷地内にある枯山水。武士の屋敷に整備された庭園であり、作庭時期はエドヒガンの樹齢から江戸中期と推定されている。明治3年に盛岡藩士・菊池金吾の所有となり、明治天皇が2度宿泊された邸宅でもある。天皇が気に入った松があったが大火で焼失し、後に陛下より松を賜ったことより「賜松園」と名付けられた。盛岡市の保護庭園として「池泉回遊式庭園」として登録されているが、現在は水は涸れて涸れ山水となっているため、本記事では枯山水に分類。
盛岡市立杜陵老人福祉センターに江戸中期と推測される枯山水があるなんて、想像できるだろうか。無料で開放されており、入口には傘の形をした茶人に愛されてきた唐傘型置灯籠が置かれている。
門を潜ると岩手市郊外の簗川(やながわ)で産出された簗川青玉石を敷いた枯池になっている。かつては池泉であったが水が涸れ、現在では枯池に改修された。
飛石を境にして、白砂敷き・芝生敷き・枯池の3つのエリアを区分している。
賜松園では自然石や切石を配置し、限られたスペースを広く見せる工夫をしている。
賜松園の築山には五重塔型石灯籠が置かれている。
力強い立石を中心とした三尊石組。
枯池には沢飛石を渡している。右奥には先ほどの三尊石組がある。
市民ロビーも自由に利用して良いといわれ、ここからは額縁庭園のような観賞を楽しめる。また室内からほぼ全ての庭園を眺められるので、雨天でも楽しめるのが嬉しい。
○ | 簗川青玉石を敷いた枯池と白砂敷きの対比が美しい。 |
× | 庭園の奥に青色の住宅やホテルなどが入り込んでしまい観賞に没頭しにくい。 |