正智院庭園
しょうちいんていえん
正智院は平安時代末期に教覚正智坊により開基。鎌倉時代初期に道範大徳によって再興した高野山真言宗の別格本山である。境内には重森三玲によって昭和27年(1952)に作庭された枯山水が残されている。
正智院は宿坊であり、宿泊者のみが庭園見学できるようであるが、当日にご相談したところ庭園を見学させていただけることになった。
書院北側にある大きな岩盤を明神岩(別名:影向岩(ようごういわ))と呼ばれ神が宿る場所とされている。本庭園は重森三玲が水墨山水画的な発想を基にして作庭されたものであるが、確かに山水的な雰囲気が漂う。
大小60個の石を配した洲浜模様の枯山水であり、重森三玲らしく意欲的に石を立てている。ちょうど紅葉の見頃であり、美しい秘境にきたような感覚を覚えた。
苔地と白砂敷の中に石組を設け、立石を傾斜させている。
天を突くような立石。
明神岩(別名:影向岩(ようごういわ))は、人が登っていけない神聖なところとされている。つまり明神岩は磐座(いわくら)である。磐座については、石に神が宿り信仰対象となった石のことであり、詳しくは阿智神社(倉敷市)の記事を参考にしてほしい。
苔は雲を見立てられており、高野山の雲海に浮かぶ霊峰の景が抽象表現されている。
石組の主役が磐座であり、その周りに控えるのが重森三玲によって作庭された石組である。
美しい立石と窪みのある印象的な石。
書院前にも枯山水を設けている。
○ | 圧倒的な存在感を放つ磐座と、意欲的な石組で構成された力強い石庭になっている。 |
× | 特に見当たらない。 |