正覚庵
しょうがくあん
東福寺の塔頭寺院である正覚庵は、鎌倉時代(1200)に奥州伊達家4代目当主伊達政依により創建。毎月11月に筆の供養を行うことから「筆の寺」とも呼ばれる。境内には庭園「拝茟園」などがあるが、寺院は通常非公開である。特別公開や旅行会社のツアーなどで見学できることがある。
2023年の秋の特別公開にて訪問した正覚庵。公公式サイトには「拝茟園」という記載はないが、書院に設置された看板に庭園名が記されていた。縁側は二重の構造になっており、室内側は入側縁(いりがわえん)、外側は外縁(濡れ縁)と呼ばれている。
「拝茟園」には飛石を打ち、飛石の分岐点となる踏分石には伽藍石(がらんせき)を用いている。伽藍石とは、寺社建築の柱の基礎に使われた石のことである。
「拝茟園」は一部に低い築山がある「準平庭式枯山水」の様式であり、この呼び名は日本庭園研究会会長の吉河功によるものである。
拝茟園の庭門。その右手には手水鉢がある。
手水鉢。
書院からは二方向に額縁庭園として楽しめ、私はW額縁庭園と読んでいる。
茶室へ向かう。
中庭には、船形の伽藍石と思われる石と、立派な沓脱石(くつぬぎいし)が据えられていた。
茶室には丸窓もある。
茶室から本堂の庭を撮影。
東福寺の塔頭寺院であることを表すかのように、東福寺 本坊庭園(八相の庭)を連想させる市松模様に平石が配置されていた。
延段のような飛石の意匠。
先ほど茶室から眺めていた本堂の庭。
2024年、2025年は特別公開の予定がないため、特別公開が行われる機会には訪れておくのが良いだろう。
○ | 飛石が主体の枯山水であるが、伽藍石や市松模様など様々な意匠があり楽しい。また額縁庭園を撮影できる場所が多いのも良い。 |
× | 特に見当たらない。 |