高野邸
たかのてい
高野邸は柿田川公園に隣接する場所にある元製紙工場の社長邸宅。邸宅は昭和12年(1937)に建築され、池泉回遊式庭園は同時期に高野二三初代当主によって作庭された。
四万十川、長良川と並ぶ日本三大清流の柿田川は全長1.2kmと日本で最も短い一級河川。柿田川は富士山系の伏流水で、この湧水を利用した池泉庭園となっている。過去の写真を確認すると、手前のコンクリート部分はかつて苔庭であったことがわかり、ここが残念に感じたポイントである。正面の池沿いの大石は礼拝石であり、庭園のビューポイントとなっている。
別角度から池泉を撮影。右手に雪見灯籠、その奥に鶴の銅像、池には亀に見立てた亀石を配すことで、長寿を願う鶴亀庭園となっている。日本庭園では最も基本的なものであるが、鶴を銅像で具象的に表現しているのは余り見かけない。通常は鶴は岩や松で抽象的に表現されている。
二石の亀石は溶岩石となっている。
亀石。この角度から眺めると左の飛び出したところが亀頭石にみえる。
鶴の銅像から高野邸を眺めることができ、高野邸ではお抹茶をいただける。(2024年7月時点では茶室の開放、および抹茶提供は中止されています。)
園内の解説文には「滝を造り」と記載されているが、実際には築山に造られた水路といった感じである。
築山には枯流れを設けており、その頂部には、、、
溶岩石を用いた枯滝石組のような石組がみられる。
立石による三尊石も発見。
柿田川公園の見どころは「湧水第2展望台」である。通称「ブルーホール」と呼ばれ、水深が深くなるにつれ赤色の光だけを吸収する性質があり、晴天時には写真映えするブルーホールが見られる。
○ | 亀石、枯滝石組風の石組に溶岩石を利用し、池泉には富士山の伏流水による池泉と富士山を感じさせてくれる庭園になっている。 |
× | 池泉手前の苔庭がコンクリート敷きに変わってしまっている。 |