寺町商家(旧金箱家住宅)
てらまちしょうや(きゅうかねばこけじゅうたく)
寺町商家は江戸末期から昭和初期まで質屋などを営んでいた金箱家の旧家。「建築物は明治時代のものである記録が残っており、邸宅庭園は大正時代初期に完成されたと推測されている。
松代城跡から徒歩圏だが、少し離れた場所にあるため静かな環境だった。遠山を借景にした池泉庭園は少少し不思議な構造をしているのが特徴的である。手前の巨石による石橋は一般的であるが、奥の石橋は崩れたようになっている。
池泉を少し盛り上げた場所に向かって石橋が渡されているように見える。これは地震などで崩れたものではなく、池泉で食器などを洗うための足場なのである。松代エリアではかつて泉水路が住宅に導かれており、庭園の池泉として利用するだけでなく、食器の洗浄などにも利用されていた。そのため板石で池に近づけるようになっていたのである。洗い物の汚れは鯉が食べ、上澄みの綺麗な水が下流へ流れ出ていくようになっている。
奥座敷から池泉を眺める。中央の大きな板石は礼拝石と呼ばれ、庭園のビューポイントとなっている。
雪見障子を利用した額縁庭園。
松代エリアで公開されている邸宅は、全て座敷から庭園を観賞でき、ゆっくりと寛げる。
○ | 池泉に置かれた橋のような巨石が、洗い場の足場になっている。実用性を兼ね備えた景観になっているのが見どころである。 |
× | 特に見当たらない。 |