時国家(本家 上時国家)
ときくにけ(ほんけ かみときくにけ)
源平の合戦で敗れ能登に配流された平時忠(たいら の ときただ)の息子となる平時国(たいら の ときくに) の屋敷。平時忠は平清盛の義理の弟で、子孫となる時国は製塩や海運で繁栄した。敷地には江戸後期に作庭された鎌倉様式の池泉回遊式庭園が残る。平成13年(2001)に国指定名勝を受ける。
輪島には時国家(本家)と時国家(分家)があり、本家を「上時国家」と呼ぶ。どちらも国指定名勝庭園であり、時国家(分家)に江戸前期の庭園があるが令和2年11月に公開休止となった。現在公開されている上時国家は建物から庭園を観賞でき、苔に囲まれた平庭に心字池を配している。
石組は少ないが、護岸石組や橋添石は当時の風合いを感じさせるものである。
南庭には石橋が2ヶ所あり、先ほどの写真と本写真の左奥にある。
望遠レンズで撮影してみると、橋添石により橋に安定感を出している。ちなみに望遠レンズで確認するまでは洞窟石組と勘違いしていた。
東庭に移動。
東庭と南庭の境界に門があり、その奥には出島風の岩島が見える。
東庭の全景。写真の青マーカーに滝石組があるが、木々が成長しすぎて判別できない。2016年に撮影された写真が茶の湯的 ・ 建築 庭園 町並み観賞録に掲載されているので、こちらで滝石組を確認して欲しい。ただ2016年でも滝下部は刈込みで覆われてしまっている。
滝下部を撮影するが、石橋が僅かに見えるのみだ。庭園の整備が滞っており誠に残念。
能登半島最北部の古庭園まで足を伸ばしたが、手入れ不足な庭園観賞となり無念。
○ | 南庭の護岸石組が力強く美しい。 |
× | 東庭が整備されておらず、主景となる滝石組が完全に失われている。公開休止中の時国家(分家)が再公開され、庭園が整備されたら再度訪問してみたい。 |