東桂苑 渡邉家新宅庭園
とうけいえん わたなべけしんたくていえん
国指定重要文化財「渡邉邸」に隣接した「東桂苑」は、渡邉邸の分家として明治38年(1905)に建築。その後、荒廃したが昭和58年(1983)に整備。
国指定名勝の渡辺邸から徒歩3分にある分家。渡辺邸を眺めたあとだと見劣りするので、先に訪れることをお薦めする。まずは額縁庭園を撮影。障子と本座敷の間に縦に畳を並べた空間があり、縁座敷(えんざしき)と呼ばれる。縁座敷は13畳あり、資料では畳縁と記載されていた。縁座敷:本座敷と縁側との間につくられる座敷。
庭園から東桂苑を眺める。
池泉庭園を眺める。
軒先の庇(ひさし)が深く、縁側と土縁(どえん)が確認できる。赤実線が縁側であり、その右側にある赤点線が土縁である。雪国の古民家によく見られるもので、土足の縁側を意味する。雨戸がある場合も。
手水鉢(ちょうずばち)を中心とした蹲居(つくばい)。蹲居は隣接する茶室へ向かう際など、身を清めるため造られることが多いが、茶室が近くに見つからなく、手水鉢も実用的な高さでないことから観賞用ではないだろうか。
縁側から庭園を眺める。
東桂苑は二階に上がれ、座敷からは額縁新緑が楽しめる。このような意匠で切り抜かれるのは珍しく美しい。
最後に東桂苑の入り口から続く石畳を眺めて関川村をあとにする。
○ | 1階の本座敷からの額縁庭園は、本座敷→縁座敷(畳縁)→縁側→土縁と繋がり奥行きを感じられる。 |
× | 庭園としての魅力は薄く、明治の建築技術の粋を集めた邸宅を見学がメインだろう。 |