東漸寺
とうぜんじ
臨済宗妙心寺派の東漸寺には、重森三玲に師事した日本庭園研究会の会長である吉河功(よしかわいさお) 氏によって昭和63年(1988)に作庭。
中央道・須玉ICからほど近い場所に、本格的な枯山水がある。庭園は3ヶ所有り、山門を入りまずお目見えするのが補陀落庭(ふだらくてい)である。
補陀落とは観音菩薩が住む霊場の伝説上の山であり、六観音に見立てた立石を配している。写真では5つに見えるが、一番左の立石の裏側にもう1石ある。ひとつ前の写真には、その石が映っています。
本堂前の十二神将之庭(じゅうにしんしょうのにわ)。この庭は、薬師如来の守護神とされる十二体の武神に見立てた石を配している。先ほどの補陀落庭と同様に、神に見立てた石であることからか、すべて立石となっているのだろうか。
白砂敷の本堂南庭に枯山水を造り、低めの白壁で囲まれている。過去の写真には松やモミジなどの植栽はなかったが、自然と育っていったとのこと。
白壁で借景と枯山水が区切られ、その対比が美しい。ただ、借景を考えると、モミジなどの植栽はない方が美しいと感じた。
十二神将之庭の東側
本堂裏手には江戸時代と推測される池泉庭園があるようだが、こちらは事前予約しないと拝観できない。改めて訪問してみたいと思った。
○ | 龍安寺に似たような石庭の雰囲気を味わえる。 |
× | 作庭当初のように築山全体がタマリュウで覆われていたら、より美しさが際だつと思う。 |