和らぎの庭
やわらぎのにわ
平成23年(2011)に開業した大阪ステーションシティのノースゲートビルディング。開業当初より「和らぎの庭」が存在していたが、平成28年(2016)のリニューアルされ枯山水が完成。作庭は大阪の造園業者「GardenFactory 創都」の庭師・清水 亮史。
ノースゲートビルディングの10階に本格的な枯山水がある。開業当初は市松模様に芝庭であったが2016年にリニューアル。商業ビルにあるためメンテナンスが行き届いており常に美しい状態を保っている。借景に梅田スカイビルなど近代的なビルとのミスマッチが不思議と心地よく感じる空間だ。
曲線を多用した枯山水で野筋と刈込みが美しい。見上げる空から滴が落ち、波紋が大きな波となるような様子を描いており、枯池に石を曲線状に並べ波紋を作っているのが興味深い。
洲浜の芝庭、野筋を覆うタマリュウ、サツキの刈込みによりグリーンがグラデーションで変化していく。さらに遠近感を生み出すために、奥にいくほど築山で高くしている。
サツキの刈込み奥には直線に刈り込まれた生垣。コンパクトながら注目すべき要素が多い。
立石と伏石による5石組。ガラスに近い刈り込みは左は直線、右は曲線となっているのも面白い。
西側にも枯山水を作っている。こちらもタマリュウとサツキの刈り込み、直線状の刈り込みの組み合わせ。
築山を切り抜いたところに石組を設けるセンスは都会的だ。石灯籠の右手の立石は遠山石だろうか。遠山石:遠山を抽象的に表現しており、庭園に奥行きを生み出す。
立石の奥には箕面の山並みも。
11階から和みの庭を見下ろせる。このような俯瞰で枯山水を楽しめるのも本庭園の特徴だろう。
○ | 曲線を多用した刈込みと洲浜の組み合わせにより、都心のなかで和らぎのある枯山水を楽しめる。 |
× | 特に見当たらない。 |