吉田東伍記念博物館
よしだとうごうきねんはくぶつかん
日本初の地名辞典「大日本地名辞書」の著者である吉田東伍の生家に建てられた博物館。博物館は平成9年(1997)に開館。生家の南側の棟は明治期の面影を残し、北側は大正時代に改修されている。付随する庭園は明治時代頃と推測。
記念館に入館して室内からも庭園を楽しめることも期待したが、庭園は記念館の屋外のみであった。
庭園は苔の平庭に築山を設け、平庭の面積が広いと締まりの無い庭園になりがちであるが、巨石の板石を配することで、景を引き締めている。また平庭を囲む石がサイコロのような形状のものを連ねている様子も興味深かった。
築山は、巨石を含む様々な石で組まれている。
暫く観賞して気づいたが、この築山は枯滝石組になっていると推測される。シダ植物により分かりにくいので、写真に、枯滝石組の流水部分を示す青線を引いた。
上から撮影すると、入り江のように石が組まれているのが分かるだろうか。
南側から庭園を撮影。築山に登れるような石段が設けられている。また巨木の隣に溝が掘られた切石が置かれている。
巨石の板石と枯滝石組をもつ築山。
駐車場に隣接したところにも枯山水がある。こちらは博物館が建築された平成9年に作庭されたものであろう。
○ | 平庭に埋め込まれた巨石の板石が単調になりがちな平庭の景を引き締めている。 |
× | 枯滝石組に雑草があることで、滝石組の存在を打ち消してしまっておりもったいない。 |