旧有備館
きゅうゆうびかん
有備館は仙台藩家臣が江戸時代に開設した学問所。庭園は江戸初期(1715)に仙台藩の茶人清水道竿(しみずどうかん)が作庭されたと伝わる。昭和8年(1933)に国指定名勝・史跡に指定される。
仙台中心部から高速経由で1時間ほどの距離にある国指定名勝の旧有備館。庭園の大半を占める池泉に鶴亀島が浮かぶ池泉回遊式庭園である。
苑路を散策すると、ほぼ円形の鶴島と亀島が見えてくる。左が亀島で右が鶴島である。
手前が亀島で奥が鶴島。杭で護岸を補強した杭列護岸で囲まれ、築山に巨木の松が植樹されている。
茶の島から眺めた写真。左が鶴島で右が亀島(亀子中島)であり、茶室のある茶の島からのビューが一番美しくみえるように配置したのだろう。
池泉北西部には小滝がある。
茶の島に繋がる橋。
茶の島にある茶亭「松花庵」は。四畳半の宝形造り(ほうぎょうづくり)の杮葺(こけらぶき)。宝形造り:4枚の屋根がすべて三角形になる造り。
兜島。
旧有備館には何故か杭列護岸と丸太柵護岸の長さを表記した札が多数みられる。そのふたつの違いを理解しやすい写真を掲載。池泉に浮かぶ中島は全て杭列護岸で組まれ、この方のほうが美しく、また曲線美が作れ都合がいいのだろう。もちろん、その分手間がかかるのも事実である。
東日本大震災で倒壊した旧有備館。5年の歳月を掛け復元と補強を行い平成28年(2016)に再び美しい光景が蘇った。
旧有備館の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 池泉に浮かぶ4つの島が全て杭列護岸で囲まれ美しい。 |
× | 池泉に浮かぶ島以外には日本庭園の要素が少なく、広さの割りにはややもの足らなさを感じる。 |