上海と香港の中間地点ぐらいにある中国の福州は友好都市であり、友好都市締結10周年として平成4年(1992)に完成した中国庭園が福州園である。庭園は福州市の職人によって作庭されている。また福州園は毎日ライトアップが行われている。
明治時代まで琉球王国時代であった沖縄は中国との繋がりが深く、福州市との友好都市を記念して作庭された福州園が市内中心部にある。園内は明・穏・華の三部空間で構成され、それぞれ春景色、夏景色、秋冬景色を楽しめるようになっている。
荷花鵜(にかう)は回廊になっており、中国四大庭園のひとつ拙政園で見学したものと類似している。
荷花鵜からは池泉庭園を望めるが、中島には黒松を植樹するなど日本庭園の要素がみられた。
荷花鵜からは滝石組を眺める。築山には無数の太湖石(たいこせき)を並べている。太湖石については後述する。
凌波廊(りゅうはろう)から白塔を望む。写真には塔はひとつだけであるが、もう一塔あり双塔になっている。これは福州市の観光地にある景観の縮図であり、御影石でできている。
キジムナーのブランコ。キジムナーとはガジュマルの木に澄む妖精であり、その名の通りガジュマルの木にブランコが造られている。
凌波廊(りゅうはろう)にある太湖石(たいこせき)。太湖石とは蘇州近郊の太湖周辺の石灰岩であり、多くの穴があるのが太湖石と呼ばれる。中国では縁起の良い石として好まれ蘇州の庭園では太湖石が庭園の主景になっている。沖縄では琉球石灰岩が庭園に用いられることが多いが、こちらでは本場中国から石を運んできているところが注目ポイントだ。
中国庭園でのおなじみの洞門(どうもん)越しに太湖石を望む。洞門とは庭園と庭園を繋ぐ出入り口の役割であり、額縁庭園的な要素を果たしているところもある。
人工山の治山(やざん)には治亭がある、山頂からは滝水が流れ福州の名所「治山」の水景を表しているが、2023年の自然災害により訪問時は滝が稼働していなかった。
中国庭園では地面に石や瓦やガラスなどを使って伝承文様や幾何学模様を描いた鋪地(ほち)がみられる。
近づいて撮影してみると、石の面積の狭い方を上にして模様を造っている。
知春亭(ちしゅんてい)で屋根を見上げるとこのような模様になっている。
福州園の案内図(パンフレットより引用) [ 案内図を拡大する ]
○ | 福州市の職人によって作庭され、石も現地から運んでいる本格的な中国庭園を沖縄で見学できる。また営業日は毎日ライトアップしているもの特筆できる。 |
× | 特に見当たらない。 |