8年の歳月を掛け平成8年(1991)にオープンした白鳥庭園。池泉回遊式庭園としては東海地区最大規模であり、園内には枯山水や露地なども作られている。
都内屈指の白鳥庭園は平成に造られた比較的新しい日本庭園である。名古屋市にあるため高層マンションが顔を覗かせるが、ニューヨークのセントラルパーク的な感じもあり悪くはない。
白鳥公園での見どころは清羽亭エリア。外露地と内露地に分かれた造りであり、露地門を抜けて外露地を進んでいくと外腰掛け待合がある。ここは連客を待ち主人の迎えを待つところであり、壁の片側に中門を見えるように下地窓が作られ、主人の迎えが分かるようになっている。
中門を越えると内腰掛け待合がある。写真では中央奥ににある。左に映っている茶室にて、お茶を楽しむフルコースのことである茶事で懐石と濃茶を楽しんだあと、休憩として外露地を散策。その後、この内腰掛け待合で茶事の後半の準備が整うのを待つ場所となる。
内露地から雪吊りを眺める。手前の流れから順に揖斐川、長良川、木曽川となっている。
続いて茶室「清羽亭」へ。こちらは予約貸切できるため、予約が入っていない日以外は見学不可となる。私の訪問日は見学不可の看板があったが、閉園間近であり特別に見学させていただくことに。ありがとうございます。まずは入縁から生垣に囲まれた石庭。三尊石風になっている。(年数回開催される特別開放日でも見学できます。案内はFacebookなどで告知されています。)
渡り廊下にある手水鉢。おそらく石灯篭を再利用したものだと思われる。このような再利用による手水鉢は、全国でしばしば見られるもの。
清羽亭の「二の間」から沢飛石、その奥には手水鉢がみえる。池泉に置かれた手水鉢は「流れ手水鉢」と呼ぶ。他には京都の醍醐寺 三宝院でもみられる。また更に奥には可愛らしい雪見燈篭を据えている。
渡り廊下から沢飛石と流れ手水鉢をみる。その奥には4畳半の茶室「汲江軒(きゅうこうけん)」を望む。
場所を大きく移動して、庭園南西部にある雄滝へ。
雄滝を下っていくと、渓谷のような流れに作られた雌滝がある。
出合橋から中島を望む。大きめの石で洲浜をつくり、笹で築山が覆われ優美な景を魅せてくれる。
中の池越しに平橋の豊臣橋を望む手前の中島は英傑島と呼ぶ。
正門に戻るときに気づいた2段刈込み。石垣と相まって実に美しいと思う。ちなみに白鳥庭園へはイオンモール熱田から1時間おきに無料巡回バスでもアクセスできるので買い物途中で立ち寄ってみるのもお薦めしたい。
白鳥庭園 案内図
○ | 清羽亭周辺の眺めは格別であり、特に中島の意匠が実に美しい。 |
× | 最も景観の美しい清羽亭エリアは特別開放日に訪れられない。 |