佐多直忠邸庭園(知覧武家屋敷)
さたなおただていていえん(ちらんぶけやしき)
知覧武家屋敷庭園のひとつ「佐多直忠邸庭園」は江戸中期(1741~1744)に作庭された。
門をくぐると他の庭園よりも高さのある切石の目隠し。屏風岩と呼ばれるもので、防衛を兼ねており江戸時代中期の武家屋敷の風格を備えている。その先には一転して穏やかさのある刈込みによる中門と、その対比が良い。
母ヶ岳を借景とした大刈込式蓬莱石組庭園。本庭園だけ石組に近づけないようになっている。
庭園北東部にはひときわ高い立石があり、こちらが蓬莱山である。不老不死の妙薬があるとされる山であり、蓬莱山で枯滝石組を造っている。右手前には輪っかのような石組がある。
蓬莱山を用いた枯滝石組。右手には山灯籠、左手には三重塔があり、最上段の塔から突き出た相輪(そうりん)は現在はないが、山水画の様子を見事に表している。
輪っかのような石組は洞窟石組だろうか。力強さを感じさえる
庭園西部はこのようになっている。母ヶ岳を遠山として取り入れ、豪壮な枯滝石組の意匠は圧倒されるものがある。
○ | 山水画がそのものである枯滝石組、そして刈込みと借景とする母ヶ岳の組み合わせが見事だった。 |
× | 特に見当たらない。 |