臨済宗・南禅寺派である圓光寺(円光寺)。徳川家康によって開基され、移転を繰り返し1667年に現在地に移された。境内には紅葉で有名な江戸時代に造られた「十牛之庭(じゅうぎゅうのにわ)」と、2013年に作庭された「奔龍庭(ほんりゅうてい)」がある。開基:資金提供者
紅葉で有名な圓光寺(円光寺)。奥にある池泉庭園が有名であるが、2013年に造られた枯山水「奔龍庭(ほんりゅうてい)」に注目したい。パンフレットによると「白砂を雲海に見立て、天空を自在に奔る龍を石組で表現」しているのとのこと。写真左は龍の頭で、苔築山には龍の背中が表現されている。
その作風はモダンな庭園造りで知られる庭園界の重鎮・重森三玲(しげもり みれい)が作庭した東福寺の塔頭寺院「龍吟庵」と共通しており、三玲を強く意識した意匠である。
写真左の石組が龍の頭である、斜めに突き出た石が龍の角を表現。そして、瓦で胴体を表現し、苔築山の背中へと繋がる。
奔龍庭の西部には、荒く切り立った石柱で稲妻を表現している。龍の頭付近にも同様に意匠がみられる。
それでは「十牛之庭(じゅうぎゅうのにわ)」へ。まずは本堂から額縁庭園を撮影。紅葉時期には人が映り込まない写真撮影は困難となるため、7時30分から拝観できる予約制の早朝拝観を利用してみたい。ただ早朝拝観は毎日70名を受け入れているため、いち早く本堂へ向かう必要がある。
苔庭である「十牛之庭」には、いくつかの石が据えられているが、三尊石などの石組はみられなかった。
「十牛之庭」の奥には竹林があり、この先をの坂道を登りゆくと東照宮へ辿りつく。この場所には洛北の景色を見下ろせる眺望ポイントもある。
苑路の1本だけの植栽に注目したい。根の部分が苔で覆われ、徐々に内側になるよう栗石が並んでいる。「神は細部に宿る」と思わせるような意匠だ。
「十牛之庭」もそれほど広くなく、東照宮を除けば5分ほどで周遊できてしまう。
再び本堂から額縁庭園を眺める。
山門から奔龍庭へ続く参道。江戸時代に作庭された池泉庭園がメインであるが、私は平成に造られた「奔龍庭」のほうに感動した。
○ | 天空を自在に奔る龍を石組で表現した「奔龍庭(ほんりゅうてい)」が見事である。 |
× | 特に見あたらない。 |