芬陀院 雪舟庭園
ふんだいん せっしゅうていえん
東福寺の塔頭寺院となる芬陀院。創建は鎌倉時代であり、現在の建物は明治32年(1899)に改築。庭園は日本を代表する水墨家・雪舟によるもので室町時代の1468年に作庭であり、京都最古の枯山水庭園のひとつとされる。現在の庭園は、昭和14年(1939)に重森三玲により復元。雪舟寺とも言われる。
白砂と苔地による枯山水の雪舟庭園。京都では雪舟庭園は芬陀院だけとなり、また京都より東には雪舟庭園は存在しないため東京から一番近い雪舟庭園となる。写真が南庭で「鶴亀の庭」と呼ばれる。
右が亀島で、左が鶴島となる。それでは、それぞれを詳しくみていこう。
まずは亀島。亀頭石を左に据え、甲羅を表現する苔築山には立石による中心石を配している。中心から渦を巻くように石が並べられ、雪舟庭園である萬福寺(島根県益田市)の須弥山と似た意匠である。
こちらが鶴島。雪舟庭園である常栄寺(山口市)の鶴島と手法が似ており、平石と横石で組まれている。
丸窓から東庭を額縁庭園として撮影。
東庭は重森三玲により作庭。時代背景をあわせるため、重森三玲らしいモダンな庭園ではない。こちらは抽象的な表現の鶴石組であり、説明されなければ鶴石組とは理解できない。
こちらは同じく東庭での亀石組であり、やはり抽象的である。
雪舟に興味がない観光客には、もの足らなさを感じる庭園だろうか。山口や島根に点在する雪舟庭園を巡ったあとに訪れるのがいいだろう。
○ | 京都で唯一雪舟庭園をみられる貴重な存在。また重森三玲と雪舟の庭園が競演するのは、芬陀院と山口市の常栄寺の2ヶ所だけとなる。 |
× | 室町時代の雪舟庭園、および重森三玲の庭園も抽象的な表現であり理解しにくく、一般観光客向きではないだろう。 |