芸圃
げいほ
芸圃は明の時代の1541年に、政治の実権を握る大学士であり作庭家でもある文震孟(ウェンジェンメン)が廃墟を整備して「薬圃」としたのが庭園の原型。日本では室町時代となる。現存する庭園は1970年代に整備されたものである。
世界遺産に登録されている9つの蘇州庭園のなかで、住宅街に溶け込んだマニアックな場所にあるのが芸圃。まずは築山から全景を撮影。向かいには茶館があり15元ほどでお茶を楽しめる。
茶館からの眺め。左に見える建物が乳魚亭と呼ばれ、蘇州で最も古い建物のひとつである。蘇州庭園全体にいえることだが、高いビルなどが無く、街中の庭園でも背景に日常風景が入り込まないのが良い。
築山は、凹凸の多い太湖石(たいこせき)を積み上げて造られている。
切石による石橋。このあたりの造形は日本庭園と同じですね。
太湖石で渓谷のような風景を醸し出している。
無数の石が敷き詰められた延段。近寄って観察すると。。。
石の面積の狭い縦方向を上面にして並べている。日本だと面積の広い部分を上面にするが、こちらでは逆である。より手間がかかるが、完成時の美しさを意識したのだろうか。また滑り止めの効果も期待できそうだ。芸圃に限らず、蘇州庭園の延段はこのような造りになっていることが多い。
こちらは床一面に石を敷き詰めているが、六角形にくぐった領域に石を並べ、こちらも縦方向を上面にしている。相当な工数がかかっているところだ。
芸圃は住宅街にあり迷わないように、至る所に赤文字で方向が示されている。観光客があまり訪れないようなエリアであり、立ち入るのに勇気がいるようなエリアであるが、日中に訪れた限りでは治安面に不安を感じることはなかった。
芸圃の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 特等席が茶館となっており、池泉越しに太湖石の築山を眺めながら休憩できる。喫茶利用なしでも写真撮影は可能だった。 |
× | 見どころが少なく感じる。 |