宝泉院
ほうせんいん
鎌倉時代に創建され、江戸時代に現在の宝泉院と改められる。庭園は江戸時代に作庭された盤桓園(ばんかんえん)、鶴亀庭園、および平成に作庭された宝楽園の3つを有する。
樹齢700年の五葉松を額縁庭園でみる盤垣園(ばんかんえん)。立ち去りがたいという意味で、この庭園を眺めながら拝観料に含まれている抹茶と和菓子を頂ける。
盤垣園の隣には小さな池泉庭園がある。こちらは江戸中期に作庭された鶴亀庭園である。池の形を鶴、築山を亀と見立てる。お寺の方に伺うと、適切な鑑賞ポイントを教えてもらうことに、それは
この角度である。正面の築山が亀、池が鶴の羽であるが左側が死角になっているが、飛石が鶴の胴体にみえるポイントである。
図解するとこのようになっている。正面の築山には山茶花(サザンカ)の古木が植樹され、これを蓬莱山に見立ている。
鶴の胴体である飛石と亀島をクローズアップ
長野県の造園業者・園冶(えんや)によって平成17年(2005)に作庭された枯山水「宝楽園」。太古の海を想像した庭園であり、日本庭園としては珍しく上から見下ろせるような苑路を設けている。
築山の周りには宝船石や蓬莱山に見立てた蓬莱石などが取り囲んでいる。
立石で組まれた三尊石は海石であり、ここでは念珠石と呼ばれている。手前の亀の甲羅のような石は亀甲石(きっこうせき)と呼ばれ、縁起の良い石と言われている。ここでは雲に見立てている。
三尊石の裏側は、築山に小振りな立石が配置された意匠。実に立体感のある枯山水だ。
こちらには立石の上に石橋が組んでいる。
手水鉢は平石で囲まれたユニークなのも。
全体として神仙世界をイメージした庭園であり、近代庭園ながらも、ここでしか楽しめない一度は訪れて見たい名園といえよう。
最後に額縁庭園としても知られる宝泉院の書院。
○ | 額縁庭園に注目されがちであるが、平成に作庭された枯山水「宝楽園」は立体感のあり、ここでしか見られない希有な庭園といえる。 |
× | 特に見当たらない。 |