法源寺
ほうげんじ
法源寺は室町時代後期の武将・武田信広の菩提寺であり、1490年に創建した曹洞宗の寺院である。江戸中期に現在地に移転。本堂裏には江戸中期に作庭されたと思われる枯山水が残されている。
桜祭りのシーズンには、多くの観光客で賑わう松前。この取材もゴールデンウィークで桜満開となるタイミングに訪問して、この周辺の往来は多かったが、こちらの庭園を見ているのは私だけ。観光サイトにも掲載されていない、管理されていない古庭園だけに、庭園マニア以外は立ち寄らないだろう(笑)
北海道では函館の香雪園に次ぐ古庭園の石組だと思うが、良さが伝わりにくいだろう。写真は枯滝石組である。
枯滝石組を正面から撮影すると、力強い石組であることが伝わってくる。白い石が滝水が落ちる様子に見立てた水落石であり、その上段には遠山石らしき石を据えている。推測ではあるが、かつては池泉庭園であったが、現在では水が涸れたのではないかと考える。
池泉東部には蓬莱山のようにも見える山形の石が据えてある。
池泉西部には出島が造られており、手水鉢のような石も据えている。
○ | 北海道の枯滝石組としては、香雪園に次ぐ本格的なもの。 |
× | 住職不在の空き寺となっているため、桜シーズン以降は草が伸びてしまっている可能性がある。 |