常住院 二十五菩薩来迎之庭(香霄庭)
じょうじゅいん にじゅうごぼさつらいごうのいん(こうしょうてい)
常住院は平安時代(836)に創建した天台宗・教信寺の塔頭寺院である。客殿前庭園は植栽本位の庭であったが、日本庭園研究家・西桂氏によって平成元年(1989)に「二十五菩薩来迎之庭(香霄庭)」を作庭。
兵庫県の庭園で著名人といえば西 桂さんであり、著書「ひょうごの庭園」では県内79ヶ所の庭園を網羅している。そのなかで西氏が作庭した庭園が、常住院の二十五菩薩来迎之庭(香霄庭)である。
本堂を借景とした枯山水は、一部に低い築山がある「準平庭式枯山水」に分類される。本堂には阿弥陀如来が安置され、阿弥陀仏に導く二十五菩薩をモチーフとした神仙の世界を考慮した庭園となっている。手前は重森三玲を思い起こすような雲型敷石が敷かれている。
雲型敷石の先に、飛石のひとつめは伽藍石(がらんせき)を敷いている。伽藍石とは、寺社建築の柱の基礎に使われた石のことである。そこから飛石で庭園のビューポイントなる礼拝石へ繋がる。
奥には中心石組となる五石組があり、白砂には舟石を据え、全ての石組はこの舟石と有機的に結びつけている。また五石組の中心は三尊石となり石組構成の要となっている。
正面の立石を不老不死の妙薬があるとされる蓬莱山と見なすと、舟石は蓬莱山に向かっているとも読み取れる。
曲線を多用した枯山水であり、香煙(こうえん)ゆらめく森厳(しんげん)な浄域を表現していることから香霄庭(こうしょうてい)と命名されたとのこと。森厳:身が引き締まる厳かなさま
常住院では住職に庭園の意味など詳しく説明いただき、最後にはお土産までいただいた。いつか再び加古川方面へいったときには再訪したい。
○ | 本堂を借景としつつ、本堂に安置された阿弥陀如来と枯山水の二十五菩薩が関連している構図に驚く。 |
× | 特に見当たらない。 |