旧柏倉家住宅
きゅうかしわくらけじゅうたく
当主は代々「九左衛門」と名乗る柏倉家はこの地域を代表する豪農で、主屋は江戸中期に建設され、明治31年(1898)に現在の形に改修された。上座敷から眺める庭園も、同様であり江戸中期に作庭され明治に改修されている。平成29年に柏倉家住宅が中山町へ寄贈され、令和2年(2021)より一般公開される。
江戸時代に建築され明治に改修された母屋に、取材の7年前まで当主がお住まいだったと伺い驚きから始まる庭園見学。裏庭も散策できるようになっており、座敷からも屋外からも庭園を見学できる。
上座敷からは「鶴亀の庭」が広がり、書院から眺める座観式庭園の様式となっている。池泉は心字池となっており、3つの出島を設けている。
一番左側の出島はこのようになっており、「鶴亀の庭」と言われる要素がここにある。
図解すると出島が亀島となっており、右側が亀の頭と脚を表した亀頭石と亀脚石が一体化したもので、左側が亀の尾と脚を表した亀尾石と亀脚石が一体化したものである。また鶴は亀島に植樹された松を鶴に見立てていたが枯れてしまい、現在はスイリュウヒバで代用しているとのこと。
鶴亀島を別角度から撮影。
上座敷から額縁庭園を撮影。
こちらは石になった木の化石、いわゆる珪化木(けいかぼく)。この珪化木で三尊石を組んでいる。珪化木の三尊石は余り例をみない希有なものだ。
主屋前の前庭。主屋の周りに水路を巡らせているのは、虫の侵入を防ぐためとのこと。
前庭にやや目立たない形で三尊石が組まれていた。
○ | 珪化木による三尊石が珍しい。 |
× | 護岸に草花があること、座敷から亀島が隠れてしまっているのが残念。 |