香風園
こうふうえん
香風園は坂出市出身の実業家・鎌田勝太郎の別邸であり、明治44年(1911)に作庭された。昭和30年より坂出市が所有し、平成11年(1999)に復元整備、平成13年(2001)に一般公開される。復元時に作庭に関わったのが造園家・市川之雄(いちかわゆきお)であり、宮内省技師として赤坂離宮庭園や京都御苑改修などに携わっている。
西部に日本庭園、東部に洋風庭園をもつ香風園は、坂出駅から徒歩3分程の距離にある。洋風庭園は見どころに乏しかったため日本庭園のみご紹介。まずは、ご厚意で入室させていただいた翠松閣の2階から全景を撮影。(翠松閣と時雨亭は有料の予約制である。)
江戸時代に作庭された大名庭園であるが、香川県内でほぼ原形を維持して残っているのは栗林公園と香風園のみといわれている。土橋の先には中島を設けているが、土橋は通行できない。
時雨亭は戸が閉められているのが残念だった。
汀(なぎさ)の石組は、荒々しい磯場を表現した荒磯(ありそ)の景に見立てられている。ただ、背景にイオンなどの看板が視界にはいってしまうのが残念である。
滝石組はやや単調な造形である。
翠松閣は有料で貸し出しされており、当日は結婚式の前撮りが行われていた。
○ | 荒磯の景や、流れ手水鉢など池泉回遊式庭園であまりお見かけしない意匠がみられる。 |
× | 全体的に単調であり、視界にイオンやマンションなど近代建築物が入ってきてしまう。 |