京都タカシマヤ ダイニングガーデン京回廊
きょうとたかしまや だいにんぐだーてんきょうかいろう
昭和23年(1948)に四条河原町にて完成した京都タカシマヤ(高島屋京都店)。平成18年(2006)には最上階に建築家・安原三郎さんによる設計で「ダイニングガーデン京回廊」が完成。「浮かぶ坪庭」や「石の庭」など和モダンな空間に仕上がっている。
京都を代表するデパートといえば京都タカシマヤで、京都では売上高1位である。その京都タカシマヤは7階がレストラン街になっており、こちらにエスカレータ上部に「浮かぶ坪庭」がある。
まるでジオラマのような「浮かぶ坪庭」は側面がガラス張りになっており、苔の野筋に三尊石で組まれ、左右に2石、1石を配した6石となっている。
京の町屋によくみられる坪庭は、天井が自然光によるトップライトで照らされ朝から夜へと変化していく。
後ろから「浮かぶ坪庭」を眺める。
坪庭に設けられた二基の照明設備が残念。地中に埋めてライトの存在を目立たせないような工夫が欲しかった。
こちらは「石の庭」は、イサム・ノグチ庭園美術館(香川県牟礼町)の近くにある「石のアトリエ」から運ばれたもので、石の中央部には、満月の浮彫り(レリーフ)をしている。これは「浮かぶ坪庭」を照らす月を掬うという意味で、この石を「掬月石(きくげついし)」と名どけられている。
視点を変えて眺めてみると舟石のようにも見える。見る角度によって石の雰囲気が大きく変わるのも石庭の魅力だ。
トップライトの自然光で柔らかに照らされた「浮かぶ坪庭」。
側面がガラス張りは照明が反射してしまう。落下防止であれば低めのガラスだと良いと感じた。
○ | 自然光によるトップライトで照らされた枯山水が、エレベータ上部に吊されているという仕掛けは面白い。 |
× | 坪庭の照明器具が目立ちすぎており、地中に埋めるなど工夫が欲しかった。 |