満光寺
まんこうじ
満光寺は元は天台宗であったが、室町末期(1533)に再興され、そのときに庭園も作庭された。江戸時代(1706)に寺改築にあわせて庭園も改修された。庭園は愛知県指定名勝を受けている。
書院北庭に急峻な山畔を活かした地形に多くの石組が積まれている。解説によると「小堀遠州流の鶴亀蓬莱式の回遊林泉庭園」と記載されている。本写真を解説すると、、、
写真中央の赤マーカ部分が三尊石、その両脇に枯滝石組(青マーカー)が作られている。
右手の枯滝石組をクローズアップ。滝上にも三尊石があり、観光客は庭園内は立ち入り禁止であるが木橋を渡って階段を登って三尊石にアプローチできるようになっている。また、この角度からみると三尊石が滝石組の一部にもみえる。
築山中央の三尊石を望遠レンズで撮影。三尊石左手にある突き出た石が、滝口の石組にもみえる。
築山左手の枯滝石組は、ダイナミックで優美な姿をみせてくれる。滝上には蓬莱石とも思われる石が立てられている。さらにその上には五層の石灯籠がある。日本庭園では石組などもそうであるが、永続性を示す縁起の良い奇数が使われることが多い。
池泉東部を撮影する。木橋の架かっているところが出島であり、出島付け根の巨石を羽石と見立てると出島は鶴島と考えられる。
鶴島と向かい合うように亀島と考えられる中島がある。左の横石が亀頭石だろう。亀島には長寿の象徴である松を植樹している。
池泉西部を撮影。
書院から額縁庭園を撮影して満光寺をあとにする。ガイドブックに掲載されていなく、また公式サイトもない知られざる名園といえるだろう。
○ | 築山の最上部から池泉まで繋がる枯滝石組、そのほか急峻な築山にいくつもの石組があり迫力がある。 |
× | 整備はされているものの、サツキによる植栽がやや多く、石組の存在を若干弱めている。 |