美甘邸庭園
みかもていていえん
美甘家は戦国時代の土豪(地方の有力者)として知られる甘与市左衛門の流れを汲むとされている。建物は江戸後期に建築され、平成21年(2009)に国の有形文化財に登録。庭園は当主で造園業を営む美甘晋爾によって平成21年(2009)に作庭され、富士山の噴火でできた溶岩石で造られている。
美甘邸庭園のある大山町は米子市の隣町。このエリアには国登録有形文化財の建築物に隣接する敷地に、美しい日本庭園が平成になって作庭されている。
見どころは緩やかで低い築山に溶岩石で造られた四段落としの枯滝石組。写真では三段落としにみえるが、水落石(水が流れ落ちる石)により上方から鑑賞しないと三段落としにみえる。
頂部の滝石は山形で風合いが良いものだ。
そして注目したいのが栗石である。上段の栗石は3分(5-15mm)ほどの砂利が敷かれている。
中段(2段目、3段目)は丸みを帯びたもので、もっとも粗めである。
下段は2分(1-5mm)ほどの最も細かいものである。
枯池には舟石とも水分石とも考えられる岩島を配している。
低い築山には山肌にも石組を置き、低いながらも力強さを感じる。
築山頂部からの眺め。 滝石には作庭10年ほどで苔付いているのは、溶岩ならではの岩肌が凹凸している影響だろうか。これは国指定名勝である旧古河邸庭園(東京)で見られる富士山の溶岩石による黒ボク石積みが好事例だろう。
書院からは見えない枯滝石組の二段、三段目の様子。
枯滝石組の奥には生け垣に囲まれた石組があり、こちらは溶岩ではない石を使っている。
典型的な三尊石。
○ | 富士山の溶岩石を使った枯滝石組は低いながらも力強く、また栗石の大きさに変化を付けるなど工夫されている。 |
× | 特に見当たらない。 |