吉田家住宅
よしだけじゅうたく
江戸後期(1792)に藍染めの原料を販売する上人であった吉田直兵衛の旧家。うだつの町並みとして知られ、屋根の上に持ち上がった部分が「うだつ」である。
屋根の上に持ち上がった部分「うだつ」には費用が必要だったため、裕福な家庭でないと「うだつ」を挙げることができなかった。このようなことから、出世できないことを「うだつの上がらない」と表現するようになったと言われている。さて、本エリアで豪商だった吉田家の邸宅庭園を紹介する。
青石の立派な沓脱石から飛石を敷いただけのシンプルな庭園である。
飛石の先端はこのような段差のある石を据えているが、この石が特に美しい。
主屋からの額縁庭園。
意匠を凝らした欄間も美しい。
中庭には枯山水のような空間を作っている。
二階からは美馬の山並みを望める。ここで注目したいのが欄間だ。まるで美馬の山並みを飛んでいるよう鳥の様に造られている。
訪問時は盆石が展示されていた。盆石とは漆塗の盆の上に白砂と石で山水を表現するもので、20点ほど展示されており、どれもハイクオリティで興味深かった。
○ | 飛石の先端の石のもつ造形と、2階の欄間の仕掛けが素晴らしい。 |
× | 中庭の枯山水が雑然としていて勿体ない。 |