三朝館 石庭
みささかん せきてい
三朝館は昭和13年に開業した温泉旅館。昭和43年(1968)に東館を新築すると同時に作られた石庭は、重森完途によって作庭された。重森完途は昭和を代表する作庭家・重森三玲の長男である。
三朝温泉には重森三玲によって作庭された「旧永楽庵庭園 三楽庭」と、長男の完途によって作庭された石庭が残る。その石庭は三朝館の敷地にあり、宿泊もしくは日帰り入浴利用で見学できる。私は日帰り入浴を利用してみた。写真奥にみえる客室は東館の「はなれ琳」であり、この客室からは奥にある石組を正面から観賞できる。
重森家の作風らしく、青石を積極的に立てている。白壁の奥に刈り込みを設け、借景との連続性を持たせている。ちなみに重森完途の作品は鳥取県では、鳥取県庁舎庭園でも常時見学できる。
ちなみに石庭の観賞ポイントが残念であり、右側の非常ドア越しに眺めるか、もしくは
渡り廊下から眺めるのみである。また訪問時は障子が閉まっており、一般客には右手に石庭があることは気づきにくい。
このような案内版が設置されているのに、実に勿体ない。私は障子を開けさせていただき撮影したが、石庭の正面ではなく残念。非常窓ドアの先に見学用のデッキがあればいいのだが、、、
ちなみにロビー正面から中庭をガラス越しに見学できる。庭園内には宿泊者も立ち入りはできない。
池泉回遊式庭園になっているが、散策できないのも残念である。ちなみに温泉は2020年に大改修されており、景観の素晴らしいものであった。お湯もぬるっとしたもので、いつまでも浸かっていたくなる泉質だ。
館内案内図に石庭の場所を追記しました。 [ 案内図を拡大する ]
○ | 丹波石や現在は採取禁止されている白川砂を使った重森家らしい意欲的な石庭。 |
× | 宿泊者でも石庭を正面から見学することは難しく、著名な作庭家による庭園にも関わらず勿体ない。 |