版画家の世界的巨匠でもある棟方志功の記念館。昭和50年(1975)に開館し、同時期に京都・小林造園により作庭された池泉庭園が入り口前に造られ自由に観賞できる。2024年3月31日に閉館し所蔵品は青森県立美術館へ見学できる。庭園は現在も見学できるかは未確認。
【2024年3月31日に閉館し所蔵品は青森県立美術館へ見学できる。庭園は現在も見学できるかは未確認。】青森市内にある唯一の本格的と思われる池泉庭園は京都の造園業者によって作庭。記念館の入館しなくとも自由に見学できるようになっており、奥に見えるのが高床式が特徴の校倉造り(あぜくらづくり)を摸した建築の記念館である。
正面には滝石組。滝水流れる背後にある水落石(みずおちいし)を重ねて水路を造った「重ね落ちの滝」の形式である。そして滝に向かって、洲浜が岬のように伸ばしている。洲浜:水際を美しく魅せる技法で護岸石組のひとつ
岬の先には切石を据え、その上に岬灯籠を据えている。スローシャッターを使い滝を白糸のように撮影。(1/15秒、f8.0、ISO64)
こちらの洲浜であるが、天橋立を見立てたものではないだろうか。そう推測するのは、日本庭園の最高峰である桂離宮(京都)の天橋立に見立てた洲浜と類似しているからだ。ぜひ見比べて欲しい。また洲浜の奥には亀島のような中島が見える。別角度から眺めてみると、
左前が亀頭石、そして亀脚石を設けた亀島である。亀島があれば鶴石組や鶴島も造られていることが多いが、鶴は抽象的な表現であるため、解説がないと分かりにくい。まったくの当てずっぽうであるが、前写真の右にある松が鶴石組と想像してみる。松が鶴首で、麓の巨石が羽石という見立てだ。どうだろう。。。
池中立石を3石で組んだ岩島。なかなか美しい意匠である。なお訪問後に気づいたのだが、棟方志功記念館と弘前大学 地域戦略研究所の間に枯山水もあるようだ。
○ | 桂離宮の意匠を摸したと思われる天橋立に見立てた洲浜が見どころ。コンパクトながら見応えある池泉回遊式庭園である。 |
× | 特に見当たらない。 |