創建時期は不明である妙勝寺は法華宗の寺院。鎌倉時代末期に足利尊氏が「妙に勝つ」という妙勝寺の名前を聞き勝利祈願して、勝利して室町幕府を開いたという言い伝えのある足利尊氏ゆかりの寺院。寺は江戸時代に中興して、庭園もこの時代に作庭されたもので淡路島最古となる。
淡路島で感動した庭園のひとつが、江戸初期に作庭された池泉観賞式庭園のある妙勝寺。 100坪と決して広くない敷地にもかかわらず築山と渡り廊下、および借景が相まってスケール感ある庭園となっている。余談だが、勝手口が開くことを伝えておきたい。ひとつ前の写真は勝手口の門が開いているが、訪問時は閉まっており、中央の大きな門には鍵がかかっていて諦めた。すると郵便局員が勝手口を開けて入っていった。そう勝手口は常時開いているのだが、閉まっているように思い込み、危うく帰ってしまうところだった。
まずは築山に造られた滝石組。太刀山(たちやま)からの流水が流れて、落差もあり豪華なものだ。
滝水が岩肌を伝わらない離れ落ちの手法で、滝添石は垂直や斜めに組まれ力強さを感じる。そして、滝頂部には遠山石(えんざんせき)を据え、遠山を表現して奥行き感を演出している。
築山の周辺を散策できるため池泉を見下ろす感じで撮影。手前の中島が亀島で、奥が鶴島になっている。
亀島は前後に亀頭石と亀尾石を備えた具象的なものだ。
鶴島は巨石と立石で組まれており、古庭園好きであれば、その意図はすぐ分かるだろう。図解すると、、、
巨石が鶴の羽に見立てた羽石で、立石が鶴の首に見立てた鶴首石(かくしゅせき)となっている。
鶴島は自然石の石橋を架けているが、渡ることはできない。
築山に沿って屋根のある渡り廊下が特徴的な池泉観賞式庭園。春になると桜も庭園に彩りを添えるため、次回訪問するときには、開花シーズンを狙ってみたい。
○ | 限られた空間を活かし迫力ある庭園に仕上げている。滝石組も迫力のある意匠だ。 |
× | 特に見当たらない。 |