明通寺は平安時代(806)に創建したと伝わる真言宗御室派の寺院。本堂と三重塔は、建造物としては県内唯一の国宝に指定されている。林泉回遊式庭園は、お寺の方に伺うと昭和40年頃に整備されたものとのこと。
鯖で有名な小浜市は、日本庭園も多数あるエリアでもあり1日で巡りきれないほどである。明通寺に付随された庭園は昭和に作庭された比較的新しい庭園であるが、風合いを感じられる林泉回遊式庭園となっている。林泉回遊式庭園とは、池泉回遊式庭園のカテゴリに含まれる様式であり、池泉回遊式庭園よりも池の周りに樹木などを配し、様々な趣向をこらした庭園と定義づけられるが、その明確な線引きはないといって良いだろう。
まずは山門に続く石段横にある石組。全体的に丸みを帯びた石を使って柔らかな雰囲気であるが、苔付いた岩で立体的に組まれた美しい石組である。
芝庭には石庭のように不規則に石を配置しているが、数えてみると15石となっている。京都の石庭で有名な龍安寺も15石で組まれており、それに倣ったものだろうか。
栗石で大河、苔庭で島に見立てた枯山水。
中島には三尊石を組んでいる。
一段上っていくと、そこには池泉が広がる。対岸には斜面を利用した集団石組と刈り込み。頂部より少し左手には遠山石らしき立石がみえる。
遠山石らしき立石を撮影。
さらに左手には三日月に見立てたかのような石を立てている。
庭園の最上部から見下ろす。
拝観受付の手前には流れを造っている。
石段途中から客殿、庫裏へ向かう飛石を撮影。切石を少しずらして2枚づつ並べていく美しい意匠。奥にみえる門は中庭門である。写真の一番手前に丸型の飛石があり、こちらへ進むと・・・
石臼を再利用した飛石へ繋がる。こちらには築山に石組と刈込みという庭園を設けている。本記事で紹介している庭園は参拝受付の前の無料エリアとなっている。
○ | なだらかな斜面を活用し、借景を組み合わせることで遠近感と立体感のある林泉回遊式庭園である。 |
× | 特に見当たらない。 |