鳴海氏庭園(鳴海醸造店)
なるみしていえん(なるみしゅぞうてん)
鳴海家は江戸後期(1806)に創業した醸造店。明治20年(1887)に大石武学流の宗家(師範)のひとり小幡亭樹(おばたていじゅ)と、その弟子・池田亭月(ていげつ)によって作庭。平成19年(2007)に国指定登録記念物の登録を受けている。
江戸中期から続く酒造店の座敷から 大石武学流庭園を観賞できる。店主の粋な計らいに感謝しつつ見学を。
既に複数の大石武学流庭園を見学してきたので、ひと目で大石武学流の要素が分かる。まずは居間からV字型に広がる飛石。正面の飛石の先には池泉や枯池があり典型的な構図だ。
蹲踞(つくばい/手前水とも呼ぶ)は、このように巨大である。庭園ガイドで大石武学流庭園の解説を読まれた方には耳タコであるが、これは実用ではなく想像するものである。書院から人の動きをイメージしながら庭園を眺めるのである。
礼拝石の先に池泉、正面には深山石。左手奥には自然石を組み合わせた野夜灯(やどう)と呼ばれる灯篭も、大石武学流庭園の定石である。
庭園から眺める観賞式であるため滞在時間は5分ほどあるが、黒石に出掛けたら立ち寄りたいところ。もちろん、鳴海醸造店ロングセラーである特別純米酒「菊乃井」もお忘れなく。
○ | 書院から力強く敷かれた飛石と巨大な蹲踞が美しい。 |
× | 書院からは野夜灯が遠く確認しにくく、また池泉に滝石組があるようだが書院からは見えないのが残念。 |