龍興寺
りゅうこうじ
龍興寺は日蓮宗の寺院。境内の庭園は県内の作庭家・小口基實(おぐち もとみ)によって平成8年(1996)に造られた。
本庭を作庭家した小口基實(もとみ)はウィーンのシェーンブルン宮殿の修復をはじめ、400ヶ所以上の作庭経験をもつ。本堂前に細長い池泉庭園を造っており、まず目を惹くのが豪快な滝石組である。
出島と刈込みで小さいながらも惹きつける魅力がある。ちなみに夏に訪問したときには池泉は藻で覆われていたが、11月に再訪すると藻はかなり減っていた。
青石を立てた険しい滝石組。水落石に沿って細い立石を立てているのは鯉魚石(りぎょせき)だ。いわゆる鯉の滝登りである。鯉が滝登りしている様子を禅の修行に見立てており、鯉魚石のある滝石組は龍門瀑(りゅうもんばく)と呼ばれる。金閣寺の鯉魚石などが有名である。ただひとつ残念なことがある。鯉魚石の右手に草が伸びていて、鯉魚石の美しい姿を半分隠しているのが実に勿体ない。
亀出島のような意匠にもみえる。
反対側の池泉には亀出島に立石を配している。この立石は蓬莱山だろう。
亀出島を正面から眺める。
洲浜にまで青石を使った豪華な作りであり、コンパクトながら質の高い庭園であった。
○ | 青石をふんだんに用いた滝石組が豪壮で美しい。 |
× | 鯉魚石が草で一部隠れてしまっている。 |