明治時代の秋田の政治家であった坂本東嶽(本名:坂本理一郎)は茶人でもあり、庭園は明治30年頃に作庭された。平成4年(1992)に邸宅と庭園を町に寄贈。また同施設には明治29年に発生したM7.2の陸羽地震で災害をもたらした震災の展示室「千屋断層学習館」も併設されている。
台風が過ぎ去った直後で、まだ雨が降っているなかで訪問した坂本東嶽邸。余り期待せずに訪問したが、苔庭が美しい庭園で1時間ほど滞在することになった。まずは主屋からの写真であるが、飛石の先に茶室がみえる。
露地門を潜ると池泉がみえる。茶室に池泉が付随されることはないが、この茶室は坂本東嶽が茶人でもあったことにちなんで、平成7年(1995)造られた茶室であるため、この敷地は露地ではなく池泉庭園の一部と考えるのが適切だろう。
茶室は「東嶽庵」と名付けられ、お手軽な料金で利用できる。池泉には出島を設け、良質な苔で覆われていることで本庭園の魅力をグッと引き上げている。
対岸より茶室を撮影。
苔の出島と置き灯籠を眺める。茶室から主屋に架けての景観が本庭園の見どころだろう。
露地門越しに主屋を撮影。左手にみえる石灯籠は織部灯篭である。織部灯篭の特徴は竿の部分にふくらみがありFのような文字が刻まれていることが多い。キリシタン灯篭とも呼ばれ、由来は山水園(山口市)の記事を参考にして欲しい。
主屋から茶室へと誘う飛石。
主屋から額縁庭園を撮影。
二方向のW額縁庭園。
庭園は南北に延び回遊できる。
最南部には「さざれ石」がある。さざれ石とは、小さな石が長年かけて炭酸カルシウムや水酸化鉄が小石の隙間を埋められ、大きな岩となったものである。
続いて離れ座敷の2階へ。ここからは庭園は見下ろせないが新緑が美しい。
こちらのスペースも茶室同様に貸し切りできる。新緑が黒机に反射している様子がとても美しい。
○ | 茶室と主屋を繋ぐ敷地の苔庭と苔出島が美しい。額縁庭園を撮影できるポイントも多く、庭園撮影にもお薦めできる。 |
× | 特に見当たらない。 |