青林寺
せいりんじ
青林寺は明治25年(1892)に創建した曹洞宗の寺院。のちに大正天皇となる東宮殿下(とうぐう)が明治42年に和倉に行啓(ぎょうけい)された際に休憩所として設けられた建物が昭和51年に青林寺へ移築・保存され、平成29年(2017)に国登録有形文化財に登録。行啓:皇后、皇太后、皇太子などの外出のこと。天皇の外出は行幸と呼ぶ。
BIGLOBE温泉大賞で毎年上位に入賞する日本を代表する温泉宿・加賀屋から徒歩5分の場所にある青林寺。平成29年にある写真家がテーブルの反射を利用して撮影する方法を見つけ、いつの間にかSNS映えスポットとして多くの観光客が集まるように。
撮影場所となる青林寺客殿自体が本来の見どころ。明治時代に東宮殿下が御便殿(いわゆる休憩所)として建てられた建築物であり、宮内庁の木曽御用林の檜材が使われ格式の高い折上げ格天井となっている。この客間にあるテーブルの角に置かれた布にカメラを置いて撮影すると、先ほどのような写真となる。
皇室の外出時の休憩所である御便殿(ごべんでん)は利用後は取り壊すため、現存するものは青林寺と島根県浜田市の2ヶ所のみとのこと。さて客殿の周りは枯山水となっている。
霰崩し(あられくずし)の敷石。霰崩しとは大きめの玉石を荒く敷いた敷石であり上質感がある。
霰崩し(あられくずし)のみの苑路となっており、
このような苔の平庭へと導かれる。
○ | 日本で2ヶ所しか現存しない御便殿でリフレクション撮影できる貴重な施設。超広角レンズで、折上げ格天井と一緒に撮影すると格式の高さが伝わってくるだろう。 |
× | 庭園としては霰崩しの敷石以外に見所が見当たらない。 |