清楽苑 白根庭園
せいらくえん しろねていえん
清楽苑は平成14年(2002)に完成した高齢者能力活用センターであり、併設する庭園「白根庭園」は個人の庭園であったものを市が譲り受けたものである。
5月下旬頃になれば、刈り込みのツツジが美しく彩られる白根庭園。かつては個人所有の庭園であったが、現在は一般開放されている。池泉庭園であるが、少し様子が異なる。
池泉がプールのように長方形になっている。正式名称に「庭園」と名付けられたもので、このような形状の池泉は初めてみるものであり、おそらく個人の邸宅庭園であったことを考えると、当初は生け簀など別用途で作られた池を再活用して庭園の一部としたのではないかと推測する。ちなみに池の手前に長方形の水たまりのような池があるが、撮影中に誤ってここに足を落としてしまい大変な目にあったことは内緒(笑)
池泉には枯流れを設け、奥に自然石による石橋を渡している。
枯流れの上流を撮影。
上流には滝石組があるのが定石であるが、白根庭園では枯池となっていた。
ただ別のところに枯滝石組を見つける。ただ支柱により折角の滝石組を残念な景にしている。枯滝石組の滝壺には水を左右に分ける水分石を配しており、滝水が岩肌を伝わらない「離れ落ちの形式」となっている。
コンパクトな庭園であるが、飛石で廻遊できる。ちなみに池泉周辺の飛石は、ほぼ円形の石となっており面白い。
国の登録有形文化財である旧白根配水塔。この地域の上水道設備として昭和8年(1933)に完成したもので、昭和48年に役目を終えたが現在も文化財として保存されている。白い配水塔ということもあってか、日本庭園と旧白根配水塔が上手く調和している。
○ | 枯池から池泉へと導かれる枯れ流れが美しい。 |
× | せっかくの枯滝石組に支柱を設置することで、石組を台無しにしている。 |