臨済宗・妙心寺派の曹源寺は岡山藩主・池田家の菩提寺(ぼだいじ)である。創建は江戸時代(1698年)であり、庭園も江戸時代に作庭された。菩提寺:先祖代々のお墓のある
朝7時開門にあわせて駐車場に到着。凛とした境内を進み、敷地東部に向かうと池泉庭園がある。池には中島に築山があるようにみえるが、山と繋がった巨大な出島である。
池泉を南から眺めると、このように山と繋がっていることが分かる。また、護岸石組は長石を中心に組まれ、高さを均一にしている。
出島は左右対称の富士山型であり、鶴島両島の手法を兼ねている。また池泉の手前には亀島のような意匠がみられる。
出島の中央部には、巨石による立石で枯滝石組のような意匠がみられる。
池泉北部には出島上部に向かう散策路があり、その途中から出島を眺める。
出島上部から池泉を見下ろす。
出島上部には枯滝石組があり、ここから水路を伝って先ほどの巨石の立石による枯滝石組へと繋がる。水路の形状から、かつては水が流れていたのではないだろうか? だとすると、枯滝石組ではなく、水源の枯渇などにより水のなくなった滝「涸れ滝石組」と推測する。
書院と池泉庭園の間には、水を用いないで池泉庭園を表現した枯池式枯山水がある。枯池には厚みのある自然石による石橋が架けられ、四隅には橋添え石を据えている。橋添え石は、橋に安定感と躍動感を与える役割がある。滝添え石がないと、石橋が浮いたような印象で、またいつかは沈んでいくようなイメージも与えてしまう。
枯池は砂利が敷かれ、沢飛石を配している。沢飛石:池に設けられた飛び石。
庭園は無人の入口であり、拝観料を木製ポストに収める。
山門から庭園までの参道は凛として、寺の格を感じさせるものがある。また、曹源寺の殆どの修行僧は世界各地からの外国人である。その理由は、住職が世界中で教えを説き、曹源寺で修行をした外国人が自国で、また教えを説いき広がっていったとのこと。
○ | 築山形式の出島に造られた枯滝石組のような意匠が美しい。また、出島の裏側に散策路が設けられているのも嬉しい。 |
× | 特にみあたらない。 |