梅小路公園 朱雀の庭
うめこうじこうえん すざくのにわ
梅小路公園はJR梅小路駅の跡地に、平成7年(1995)に平安遷都1200年を記念して開園。「朱雀の庭」は開園の前年となる平成6年に、地元の造園業者・植芳造園によって作庭。
京都鉄道博物館や京都水族館のある梅小路エリアに、平成になって作庭された日本庭園がある。公園の有料エリアで広い空間のため、京都駅から10分ほどの好立地にもかかわらず、ゆっくりと庭園散策ができそうだ。まずは御影石の上に1cmだけ水を張った水鏡からスタート。
池泉を二分するような堤を歩くのが気持ちよい。
堤は緩やかなカーブを描き、その先には滝石組がある。
堤を反対から撮影。堤の先は沢飛石となっている。
滝は大滝と小さい段差の滝で構成されている。
京都市内では落差最大となる6mの大滝を眺めながら、沢飛石を渡る。
沢飛石は2ヶ所あり、こちらは穏やかな水流。このような場所に、威圧感のない置き灯籠の配置に品の良さを感じる。
低い盛土でゆるやかな起伏をつけた小丘のことを野筋(のすじ)と呼ぶ。このような築山の一部を野筋にしている意匠は、初めてみるもので斬新さを感じた。
野筋の谷には流れを造り、まるで立体的な曲水庭園のような風情を醸し出している。朱雀の庭で最も注目したいポイントだ。朱曲水庭園とは、平安時代の貴族が杯が自分の目の前までに流れてくるまでに詩歌を作って詠み、盃の酒を飲んで次へ流すという遊ぶ庭のことである。朱その様子は浜松市の万葉の森公園 曲水庭園を参考にして欲しい。
アカマツ林の遊歩道の橋からは、枯流れを見下ろせる。比較的粗めの石で水の流れを表現している。
右側はレストランエリアに。庭園を眺めながらモーニングは500円以内で利用もでき、朝からここで過ごしてみたいものだ。最後に、木々の隙間から時折列車が通過する。これまた楽しいものだ。
○ | 築山に野筋を設けることで立体的になり、谷に流れを造ることで、曲水庭園のような光景となっているのが素晴らしい。 |
× | アカマツ林の回遊路にある枯流れの奥にある滝石組が、木々で視界が塞がれているのが惜しい。 |