百合ヶ丘公園は昭和天皇陛下御在位50年記念事業で昭和58年(1983)に開園した総合公園。開園当初に日本庭園が作庭され、昭和61年には「世界の庭園」として新たに中国、ミュンヘン、ポートランドの庭園が、それぞれその国の造園家によって設計された。
札幌市の姉妹都市である中国・瀋陽市、ドイツ・ミュンヘン、アメリカ合衆国・ポートランド市の3つの庭園と日本庭園を巡れる場所が「百合が原公園」である。料金はなんと130円という破格。それでは日本庭園からみていく。まずは両側は銀閣寺垣(ぎんかくじがき)と呼ばれる竹垣で、建仁寺垣の高さを半分にしたものだ。銀閣寺同様に下部に石垣、上部に生垣を設けている。
水舞台を設けているが、かなり老朽化しており立ち入りできない。写真左手は洲浜風の意匠になっている。(2023年4月に改修されました)
手水鉢は「吾唯知足(ワレ、タダ、タルヲシル)」という「今を満ち足りたものとし、現状に不満を持たないこと」が記されたものだ。そして右手には織部灯籠。織部灯籠とはキリシタン灯籠とも呼ばれ、竿の部分が地中に埋め込んで据えられテイル。竿にキリスト像が彫られていることが多く、これは江戸時代初期にキリスト教禁止令のなか密かに信仰を続けるための象徴と言われている。
滝石組も見られる。
続いて中国庭園の瀋芳園(しんほうえん)へ。
中国の伝統的な自然山水の庭園であり、中国の庭園には必ずといってみられる洞門(どうもん)がある。
高台から全景を見下ろす。
中国の造園家で設計されたということだけあり、蘇州で見学してきた中国庭園と共通点がいくつも見つかる。例えば、苑路の作り方である。
中国庭園で必ず見られるのが、写真の様な凹凸のある独特な石。これは太湖石(たいこせき)という石灰石である。中国では人気が高く、日本同様に神や気が宿るとされる。その他ミュンヘンのムンヒェナーガルテンやポートランドガーデンがあるが、花が咲いてないと見所が少なく紹介を省くことにした。
世界の庭園 案内図 [ 案内図を拡大する ]
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