耦園
ぐうえん
耦園は清の末期に引退した官僚の造った私家庭園。時代は1722~1735年であり、日本では江戸時代にあたる。その後、興廃を繰り返し、1994年に再整備され一般公開となる。世界遺産にも登録されている。
石が敷き詰めているが、殆どが石の狭い面を上側にし、無数の石を並べている。日本では広い面を上面にすることが多く、日本庭園と中国庭園の違いがここにもある。
庭園中央に鎮座するのが「黄石假山(かざん)」と名付けられている。中国では凹凸のある太湖石が重宝され、あらゆる庭園で使われているが、この「黄石假山」では、太湖石を用いず黄石だけで組んでいるのが特徴。ちなみに假山(かざん)とは築山という意味。
「黄石假山」のなかに設けられた苑路。こちらの足下にも注目したい。拡大すると、、、
平面を上側にして美しく敷き詰められた延段である。このタイプの延段の最高峰が京都の桂離宮だと私は思っている。
黄石假山の裏側。
さらに庭園を散策すると太湖石。その奥には、、、
石筍(せきじゅん)。石筍とは洞窟の天井から滴り落ちる水滴の石灰分が積み重なりタケノコのように伸びたものである。
耦園の入り口付近は、東洋のベニスといわれる蘇州の街並みだ。ちなみに私は中国に駐在していた友人と一緒だったため、WeChatで個人タクシーを呼び移動時間を短縮させているため、1.5日間で9つの世界遺産登録の庭園を早巡りした。電車と徒歩だと丸2日か2.5日は必要だろう。
耦園 案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 太湖石を利用しない築山である黄石假山(おうせきかざん)が特徴的で面白い。また黄石假山の延段も美しい。 |
× | 見どころが少なく感じる。 |