日本庭園を語るうえで欠かせない臨済宗の禅僧・夢窓疎石(むそう そせき)によって鎌倉時代末期(1327年)に開山。石組によって本格的庭園を表現する夢窓が、53歳の頃に作庭。現状の姿は昭和44年に発掘復原したものである。開山:初代住職
日本庭園通には有名な瑞泉寺。それもそのはず、日本初の作庭家ともいわれる臨済宗の禅僧・夢窓疎石(むそう そせき)によって開山したお寺である。最寄りのバス停から徒歩15分以上かかるため、鎌倉ハイシーズンでも混雑が和らぐお寺でもある。
受付から5分ほど歩いて行くと、本堂裏手にある瑞泉寺庭園にたどり着く。さて、どんな庭園だろうか・・・
「えっ? これが庭園??」と思う方が大半だろう。でもこれがあの夢窓疎石の作庭で、岩盤を掘って造ったいわゆる「岩庭」であり、その事実を知ると驚きを隠せない。ちなみに大きな洞窟は天女洞(てんにょどう)別名・水月観道場とよばれ、かつての坐禅修行の場とのことである。
池には2つの橋が掛けられ、十八曲階般を登ると錦屏山の山頂へと繋がる。山頂からは鎌倉市街、富士山、相模湾を借景とした庭園が造られ、「徧界一覧亭(へんかいいちらんてい)」と名付けられた小さな東屋が設けられている。なお、岩庭・天女洞・庭園などには立ち入りできず、写真掲載しているのが一般公開されている全てとなります。
十八曲階般をズームアップ。十八曲階般は人ひとり歩ける程度の石段である。
瑞泉寺の天女洞をズームアップ。公式サイトには天女洞から眺めた庭園の写真が掲載されている。実に趣深い光景で、一度眺めてみたいものだ。
岩庭を眺める空間を撮影してみる。
山門近くの様子を撮影。草木の手入れがあまりなされていないのが少々残念。
絵になる被写体を見つけたので、こっそり撮影。
一般公開されていないが、岩庭から続く十八曲がり階段を登りゆくと徧界一覧亭(へんかいいちらんてい)へ繋がる様子が分かる。 [ 案内図を拡大する ]
○ | 日本庭園のパイオニアである夢窓疎石の代表作が見られる。紅葉も美しいので、紅葉シーズンに混雑を避けてここを訪れるのも良い。余談であるが、鎌倉にして駐車場無料である。ただし道幅が狭いため、大型車や初心者ドライバーは遠慮したほうが良いだろう。 |
× | 文化財保護の観点からだと思うが、十八曲がり階段を登った先の庭園や徧界一覧亭、さらに天女洞からの庭園を眺められないのは残念である。 |