阿自岐神社庭園
あじきじんじゃていえん
阿自岐神社は古墳時代の応神天皇(309~410)時代に、朝鮮半島で現在の韓国西部にあたる百済(くだら)から渡来してきたアジキ氏が住んだ地に、氏族の祖先神を祀った神社と伝わる。日本最古の庭園ともいわれ、県指定名勝となっている。
池泉多島式庭園である本庭園は、三重県伊賀市の城之越遺跡同様に、観賞用ではなく祭祀を行うための装置であったと考えられている。重森三玲によると、島そのものが神として崇拝の対象であったいう。
中島は切石橋で繋がっているが、切石が使われるようになったのは江戸時代以降である。阿自岐神社の宮司によると、こちらの石橋も江戸時代に架けられたものとのこと。
池泉は入り組んだ地割であり、祭祀用としての神池・神島の景観が、のちの庭園に発展していったと考えられるだろう。
護岸石組はなく、後世に護岸保護のために造られた丸太柵護岸によって囲まれている。
先ほどの中島を別方向から撮影。神として崇拝の対象とされる島だったことを考えると、足を踏み入れる必要がく島のままでも良いが、整備を考えると橋は必要になってくるのは自然の流れだろう。
阿自岐神社本殿の地は、かつては島だったとのこと。東西に道路ができた頃に社前(しゃぜん)も改修し、池が東西に分かれた。そして、昭和51年から56年にかけて庭園整備事業により現在の形になった。
阿自岐神社庭園 池泉(神池)の形状 [ 案内図を拡大する ]
○ | 日本最古の庭園のひとつといわれる古墳時代の池泉多島式庭園を見られる。 |
× | 訪問時に清掃している姿を見かけたが、敷地が広大であるため整備が追いついておらず、うっそうとしている。 |