世界2,900ヶ所以上の夜景を巡った男が庭園を巡る

安楽寺

あんらくじ
美しさ ★★
静寂さ ★★
京都府京都市左京区
  • 山門

    苔庭の枯流れに注目したい

    枯山水
    庭園面積 200坪 (小規模)
    作庭時期 不明 ~飛鳥 奈良 平安 鎌倉 室町 安土桃山 江戸 明治 大正 昭和 平成 令和

安楽寺の由来

安楽寺は平安時代に、現在地より東に1km離れたところで、法然の弟子、住蓮と安楽によって開基されたと伝わる。室町時代に現在地に本堂が建築された、庭園は住職に確認すると江戸時代に作庭されたとのこと。春、夏、秋の特定日だけ特別公開されている。また「鹿ケ谷カボチャを食べれば中風(いわゆる風邪など)にならない」ということから、毎年7月25日に鹿ケ谷カボチャ供養が行われ、この日も庭園が特別公開されている。






  • さつきとつつじ

    サツキの美しいことでも知られる安楽寺は、桜、ツツジ、サツキと紅葉時期などに特別公開されている。私は紅葉シーズンに訪問したが、混雑しておらず、ゆっくりと書院から庭園を鑑賞できた。

  • 飛石

    庭園は数ヶ所に分かれており、こちらがツツジ、サツキが美しい庭園になっている。基本的には刈込みと飛石だけのシンプルなもので、庭園好きとしては、やや物足らなさを感じた。

  • 中庭

    続いて中庭へ。右奥が先ほど鑑賞していた書院であり、その東側に中庭を設けている。

  • 中庭

    先ほどの庭園よりも、私は中庭に興味を惹いた。僅かな野筋をもつ苔庭であるが、枯流れを設けているではないか。ありそうで、あまりお目にかからない意匠。

  • 中庭

    中庭は廊下で廻遊できる。周辺が建物に囲まれ、苔庭の樹木などにより、苔への直射日光を減らし苔焼けを防いでいる。

  • 中庭

    サインカカーブのように枯流れを設けている。類似しているとまでいわないが、重森三玲の6作目である春日大社「稲妻形 遣水の庭」を思い出してしまう。

  • 渡り廊下

    先ほどの苔には、実は渡り廊下を経由して広がっている。さきほど紹介した中庭は左手にあり、続いて正面の空間に移動してみると、

  • 枯流れ

    このようになっている。写真左手が先ほどの渡り廊下で、廊下下部で枯流れが続いているのがわかるだろうか。

  • 枯流れ

    そして、こちらの中にもサインカカーブのように枯流れを設けている。

  • 椛 momiji

    2010年に完成した客殿「椛 momiji」は、特別公開日を中心にカフェスペースとして開放されている。窓の奥が、一つ前の写真にある中庭となる。

  • 庭園

    続いて山門と本堂の間にある庭園を撮影。

  • 庭園

    安楽寺は石よりも植栽が主役としているためにか、巨石も目立たないように配置している。

  • 花手水

    中庭にある花手水(はなちょうず)。SNSで拡散されるようになった令和頃から、あちこちのお寺で見かけるようになった。

  • 山門

    山門を望む。その右手が受付であるが、この美しい光景を眺められるように、受付に衝立を設置しているように感じる。だとしたら、見事な配慮だと思う。


総評
苔の中庭に設けた枯流れは、石を使わない希有な意匠だが美しい。また渡り廊下を越えて広がりを見せているのも良い。
×特に見当たらない。


アクセス
京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町21
バス停「真如堂前」もしくは「錦林車庫前」下車 徒歩約15分

駐車場

開園時間
午前10時~午後4時

公開時期は公式サイトで確認ください。

入園料
¥500(中学生以下無料)

公式サイト

地図
正門にピンを立てています。
訪問日 2024-11-19 (火) 更新日 2025-09-23



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よくある質問


いつごろ作庭された庭園ですか。
作庭時期は江戸時代です。
雨でも濡れずに楽しめますか。
いいえ。屋外を回遊する必要があります。
抹茶や珈琲などを楽しむところはありますか。
残念ながら、ありません。



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