昭和37年(1962)にキッコーマンがワイナリーを設立して、現在はマンズワイン株式会社として日本ワインを製造している。マンズワインは日本ワインの代表格であり、ワイナリーは小諸と勝沼にある。小諸ワイナリーは1973年に竣工され「ソラリスシリーズ」というという国際品種のブドウの栽培。この小諸ワイナリーには10年の歳月をかけて造園された日本庭園「万酔園」がある。
日本ワインで有名なマインズワインの小諸ワイナリー。左手にブドウ畑、右手に日本庭園「万酔園」が作られたユニークなワイナリーである。名前の由来は「万人の方に庭園の美しさに酔って欲しい」という思いから名付けられた。
万酔園は池泉庭園のなかに枯山水を設けた様式である。本庭園で最も印象的なのが混植大刈込だ。紅葉シーズンにはグラスワインが白、ロゼ、赤へと変化しながら溢れ出す様子を表現している。
混植大刈込に沿って枯山水を設け、七石で2・2・1・1・1石で5島を作り、大海に浮かぶ島を表現している。
この写真に見えているのが、手前から1・1・2・1石の4島だ。
3石で2島を作っており、特に立石と臥石の組み合わせが美しい。
立石と横石で構成された島。
四阿(あずまや)の意匠も手が込んでいる。
四阿からの眺め。日本庭園の敷地は高い木々で囲まれているが、高い木々がなくとも美しい山並が借景となるはずであるが、ブドウ畑を遮断することで、庭園の世界観を完全にするためにこのような設計になっているのだろうか。
汀を美しく見せる州浜もみられる。
枯山水の北側には、緩やかな起伏をもつ芝庭が広がる。
池泉には滝石組があるが草木に囲まれ分かりにくい。
近づいて撮影してみる。左右に2本の滝があり、男滝と女滝と呼ばれる。力強い滝石組であり豪壮なものだけに、石がよく見えるように手入れすると本来の美しさが蘇ると思う。
万酔園 案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 大刈込に混植を用いることで、ワインが溢れ出す様子を表現している意匠が見事である。また大刈込沿いの枯山水もコンパクトながら品格を感じさせる。 |
× | 滝石組が植栽に阻まれ本来の魅力を感じられない。 |