カルピスホール(館林市文化会館)
かるぴすほーる(たてばやししぶんかかいかん)
昭和49年(1974)に竣工した館林市文化会館は、2019年よりネーミングライツにてカルピスホールとなる。中庭は館林市文化会館の建築同時時期頃に造園家・斉藤勝雄によって作庭された。同氏の作品は市内にある日清製粉製粉記念館などにも残る。
カルピスホールの中庭に作庭された池泉庭園は何冊もの庭園関連の著書を発行する造園家・斉藤勝雄によるもの。まずは大ホールと小ホールを繋ぐ渡り廊下から庭園の全景を眺める。
ズームレンズで沢飛石を撮影。これは縁に沿って渡る「磯渡り」形式であるが、公共施設であることを考慮されて景観よりも安全性を重視した造りになっている。また池泉沿いには州浜風の意匠が面積の多くを占めており、このようなタイプは珍しいと思われる。
飛石では一直線ではなく、やや蛇行させて並べれることが多い。これは歩を進めるたびに目線の先の景観が変化していくことを狙っているためだ。
中島の先に枯滝石組がみえる。州浜風の意匠で覆われた中島には岬灯篭を置いているところにセンスを感じさせる。また照明施設があることから、夜間はライトアップされるのだろうか。
近づいて撮影してみると右手の一番高い石が滝添石。その左に滝水が伝う水落石(みずおちいし)、そして水落石の左に滝添石となっている。また水落石の前には岩島を配している。
この岩島は水を左右に分ける水分石だろう。
枯滝石組に登れるような苑路があり、頂部から護岸石組に囲まれた中島を撮影。取材日は休日の昼頃であったが、庭園見学者は私だけであった。便利な場所にあるが、あまり知られていなようにも思われる。
○ | 枯滝石組が力強く見応えがあり、州浜風の意匠となっている中島なども面白い。 |
× | 特に見当たらない。 |