珍蔵寺
ちんぞうじ
珍蔵寺は室町時代(1460)に極堂宗三和尚によって開山した曹洞宗の寺院である。鶴の恩返しのゆかりの寺院でもあり、当初「金蔵寺」であった寺が、鶴が織った織物から「鶴布山珍蔵寺」に改称されたとされている。境内にある池泉庭園は江戸時代に作庭された。
古くから鶴の恩返し伝説が伝わる南陽市漆山地区にある珍蔵寺。本堂裏手に江戸時代に作庭された池泉観賞式庭園が残されており、斜めに水が流れる滝石組が作られている。
角張った石を用いた滝石組であることから、江戸前期ぐらいに作庭されたものではないだろうか。
滝石組の上部を撮影。
築山には刈り込みがあるが、円形と長方形が混在していることで、単調さを排除しており、良いと感じた。
池泉の北部にも庭園は続いている。
傘のような刈り込みと、その下にある石積みも見逃せない。
長石を縦横無尽に組んだ豪華な石積みが美しい。
庭園北部を撮影。二列の刈り込みによる生垣、その奥には竹林となっている。手前にある自然石を使った石灯籠も美しい。
竹林にはいくつかの立石を据えられており、庭園の守護石のような役割を果たしているのだろうか。
こちらにも立石を据えられている。
○ | 滝石組、傘のような刈り込み下部にある石積みなど、力強い石組で豪壮である。 |
× | 特に見当たらない。 |