建長寺の塔頭(たっちゅう)寺院である長寿寺(長寿禅寺)は、足利尊氏が鎌倉時代末期の1336年に創建。足利尊氏の墓地が京都の等持院と長寿寺にある。庭園は平成19年(2007)に京都の造園業者によって造られた。塔頭寺院:高僧などを慕った小院
長寿寺(長寿禅寺)は、季節限定で公開される庭園である。北鎌倉駅から建長寺に向かう途中にあるお寺であるため、紅葉シーズン前ににも関わらず、開園直後から10名ほどの参拝客がみられた。山門で拝観料を支払い、本堂に入ると紅葉の絵はがきが配られた。まずは本堂から山門を撮影。
続いては、方丈へ向かおう。苔と白砂の組み合わせを眺める庭園であり期待が高まる。
人がいない瞬間を狙って方丈にて額縁庭園を撮影。座敷から2方向にこれだけの庭園が見渡せるところは、鎌倉では長寿寺だけだろう。鎌倉の寺院では、寛いで日本庭園を眺められるスポットが少なく貴重な庭園である。
白砂に苔が生み出す柔らかな曲線が美しい。こちらでは石組はみられないが、築山の岬に大振りの石が据えられ、見事な調和を取っている。
枯流れを表現しているのだろうか。庭園巡りを続けるうちに、このような意匠にも目が留まり考察するようになってきた。枯流れ:白砂敷で流れを表現する手法
別角度から庭園を眺める。
額縁庭園を撮影。あちらこちらに、おしゃべり禁止の注意書きがあることにより、鎌倉にありながら静けさが保たれている。
書院の裏手にある座敷間から撮影。手間に障子をフレームインすることにより遠近感が生まれる。
同じく額縁庭園を撮影。障子の中央にガラス窓があるものを「額入り障子」とも呼び、ガラスが縦長の場合「縦額障子」と呼ぶ。横長の場合は「横額障子」となる。
坪庭で長寿寺唯一となる石組を見つける。二石の立石を中心に五石で組まれた石組である。石組は二石を除くと、ほとんどが奇数を基本として組まれている。バランスが良いのだろう。
書院から額縁庭園を撮影。
本堂、方丈、書院を巡ると、庭に出て苑路に沿って足利尊氏の墓地を巡り、そして方丈とは反対側から庭園を眺めるポイントにたどり着く。
白砂で海を見立て苔庭と石で大陸を表現。ここからは主な視点場ではないが、庭園のハイライト的な視点場ではなかろうか。
○ | 座敷から寛いで庭園を眺められる鎌倉では貴重な日本庭園。庭園を囲むように3方向から眺められるのも嬉しい。 |
× | 特に見あたらない。 |