源光庵は室町時代(1346)に創建された臨済宗の寺院である。その後、衰退するが、江戸時代に再興し、曹洞宗に改められた。本堂裏の枯山水は再興した江戸時代に作庭されたものである。
悟りの窓、迷いの窓で知られる源光庵。悟りの窓の円形「禅と円通」の⼼を表し、円は⼤宇宙を表現。迷いの窓の⾓型は「⼈間の⽣涯」を象徴し、⽣⽼病死の四苦⼋苦を表現している。
2014年にはJR東海「そうだ京都、行こう」のCMロケ地でもあり、悟りの窓、迷いの窓の全面が紅葉に埋め尽くす映像だった。お寺の方の説明では、これは本堂の戸を取り外して本堂の外から撮影したとのこと。つまり通常拝観は映像のような光景を楽しむことはできない。残念。
本堂の中には苔むした平庭が広がっている。
お寺の方の説明では、曹洞宗は庭がコの字形になっていることが多いそうだ。
本堂裏の枯山水。こちらは北山を借景とした鶴亀庭園となっている。亀は分かりやすいが、鶴が分からないので、ご住職に確認してみる。
鶴亀庭園を図解してみた。右手が亀石組で、左手の樹木が鶴を表現しているとのこと。鶴は抽象的なことが多く、樹木を鶴に見立てていることも多いので、言われてみれば納得。また正面の刈り込みが蓬莱山とのこと。蓬莱山は巨石で表現されることが多いため、このように刈り込みで表現しているのは珍しい。
亀石組を観察すると枯池に置かれた中島になっているようにみえる。とすると、亀島だろう。
亀島の左の石が、亀の頭を摸した亀頭石である。
鶴に見立てられた樹木については、かつてはもっと大きな樹木で松だったのではないかと思われる。その後、朽ちて今の樹木に置き換えられたのではないだろうか。
京都でもこのエリアまで北上すると、寺院の駐車場が無料で利用できるため、車で訪問しやすくてありがたい。なお紅葉時期は駐車場が閉鎖されることが多いためご注意を。
○ | 悟りの窓、迷いの窓だけだとではなく、江戸時代に作庭された鶴亀庭園もあり庭園好きの欲求も満たしてくれる。 |
× | 悟りの窓、迷いの窓は記憶にある映像のような光景が通常は見られないのは残念。 |