月照寺
げっしょうじ
月照寺は江戸初期(1664)に創建した浄土宗の寺院であり、松平藩主の菩提所でもある。茶人であり大名でもあった松平治郷(通称:不昧(ふまい))の廟門(びょうもん)はは島根県の重要文化財に指定されている。境内の庭園はお寺の方に伺うと昭和59年(1984)に作庭さ、作庭家は不明とのこと。また「山陰のあじさい寺」としても有名で、6月中旬頃には3万本のあじさいが咲き誇る。
出雲流庭園の築山は控えめで平面的、そして建物に平行した短冊石、高く打たれた飛石、大きな踏み石(飛石の分岐点)などがあげられる。ややこの形式に当てはまっていないので、独自のものだろうか。
重厚な立手水鉢。左右に明かりを置く手燭石、湯桶を乗せる湯桶石を配置した蹲踞(つくばい)の形式にもなっている。
目立たないが出島(もしくは中島)には切石による石橋を架けている。また池泉には丸く平らな岩島を配しており、意外に珍しいものだ。
池泉の汀にある巨石は礼拝石であり、庭園を眺めるビューポイントとなっている。
建物と平行に砂紋を描いている。
月照寺は額縁庭園が美しい。重厚な手水鉢が存在感を額縁庭園の品格を高めている。
4つの座敷越しの額縁庭園。
広縁越しの池泉観賞式庭園。なお記事作成時に分かったことであるが、茶室を見学するには受付で申し出が必要(2017年情報)とのこと。茶室の露地には、利休より譲り受けた織部灯篭と棗形手水鉢(なつめがた)がみられる。
額縁庭園。
月照寺の大亀。ギリシャ生まれの文学者・小泉八雲の著書に登場する大亀。亀を愛でていた松平藩主を偲んで大亀の石像を造ったが、夜になると人食いするようになり、住職が藩主の功績を石碑に彫り込み、その石碑を背負わせて封じたという怪談に基づき造られた。
○ | 重厚な立手水鉢、そして座敷越しの額縁庭園が美しい。 |
× | 特に見当たらない。 |