長谷川邸
はせがわてい
越後の豪農である長谷川家は武士の出身と伝えられる。現在地に移り住んだのは江戸時代初期とされ、代々庄屋(村長)を勤めてきた。現像する豪農の館としては新潟最古とされ、国の重要文化財にも登録されている。
越後最古の民家でもある長谷川邸。庭塀で区切られた敷地へ中門を潜っていくと庭園がある。
庭園は主屋からも眺められ平地を主体とした庭に石を置いたシンプルなものだ。後述するが豪雪地帯だけに深い庇(ひさし)が印象的だ。
東側は塀に向かって盛り土され、苔庭に枯山水のような石組がみられる。
近づいて撮影するとこのようになっている。枯池に井戸を設置している。木々により日陰になることで、この周辺だけ苔が良好だ。
ひときわ目を惹いたのが、こちらの奇石である。柔らかな凹凸のある石で、まるで陰石のようなシルエットである。庄屋の邸宅であったことからも陰陽石があったとしても不思議ではないだろう。
別角度から撮影。
陰石のようにもみえるし、手水鉢にもみえる。
上便所に繋がる板縁沿いには手洗い用の手水鉢が置かれているが、周囲を立石と沓脱石で囲まれ品格がある。
豪雪地帯らしく畳廊下が取り回され、その外側に土縁がある。土縁とは板縁と土間で構成する縁側であり、深い庇で覆われている。
新座敷に移動して額縁庭園を撮影してみる。
新座敷に付随する庭は既に水が枯れた池があるぐらいで、見るべきところは少なかった。
○ | 陰石のような奇石が魅力的。また畳廊下や深い庇で覆われた土縁など豪雪地域らしい主屋も見どころである。 |
× | 特に見当たらない。 |